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人の視点とパワポのレイアウト考

  • 執筆者の写真: パワポプロ
    パワポプロ
  • 2018年5月10日
  • 読了時間: 5分

Webサイトを見るときの人の視線の動き、これに関しては皆さん、よくご存じですよね。

かんたんに言うと、左から右、上から下の基本動線があります。スライドショーで閲覧する場合もハンドアウトの紙の場合も、パワポ資料でも同じことが言えます。

PowerPointでも自然な目線の流れに合うような、基本的なレイアウトパターンがあります。


人は、パワポのどこを見る?

アイトラッキング・ヒートマップは、閲覧者がどこを重点的に見ているのかを計測し、サーモグラフィーのように視覚化したもので、無料のお試し版なども多く、かなり一般的になっています。

赤いところは、視点が集中している箇所を示しており、Webサイト制作やアプリ開発ではよく参考にされています。パワポで当てはめて考えてみましょう。


視点は、左から右、上から下へ

テキストを左から右へ読む文化圏では、人の視点は「左から右へ」「上から下へ」と流れていきます。 コンテンツが複数段ある場合は、「左から右へ読む」「一つ下がって再び左から右へ読む」

「これを繰り返す」という流れになります。これをFパターンレイアウトと呼びます。

パワポでレイアウトを考えるときは、この流れに逆らわないようにすることが基本です。

読んでもらいたい順番と、人の視点の流れを合わせてレイアウトすれば、作成者の意図通りにコンテンツを読んでもらうことができ、かつ「理解しやすい」スライドに仕上げることができます。

但し、人の眼はテキストより画像や図形を優先するので、これには後ほど触れますね。

左右・上下へ移動する量や頻度が多いと、読むのを拒否

視点移動量が増えるほど、人はコンテンツを読むのをやめる傾向にあります。

PowerPointの箇条書きスライドは、この状態に近いことになります。

つまり、重要な情報を右下のほうに書いても「伝わらない」可能性があるのです。

左上にあるテキストほど読んでもらえ、右下にあるほど読んでもらえない傾向となります。

たとえ視点がたどり着いたとしても「意識に残りにくい」という点では、読んでもらえていないのと変わりありません。


画像や図形は注目されやすい

先ほど触れましたが、テキストよりも圧倒的に注目されるのが画像や図形です。

画像や図形があると、人はまずそれらに注目する傾向にあります。読んで理解しなければならないテキストより、パッと見て理解できる画像のほうを先に見るのは当然ですよね。

画像や図形がある場合、人はそれらを真っ先に見る傾向にある。

右に、画像・図形があると、人はスライドの右を真っ先に見ます。ところが、テキストが左にあるため、視点を戻す必要があります。これは、人の自然な視点の流れに反していることになります。

しかし、PowerPointは箇条書きスライドがデフォルトであるため、右が余る・下が余る、という傾向にあります。その余ったスペースに画像や図形を入れてしまうため、このような「逆の流れ」ができてしまっているスライドは、実に多く存在します。レイアウトやページ数の都合でやむを得ないことが多い訳です。


右や下に画像・図形があるレイアウトは避ける

絶対とまでは言いませんが、特別な意図がない限り避けるようにしましょう。

ベースとなるレイアウト

まずは基本的な目の流れに反さない、ベーシックなレイアウトを作成するところから始めましょう。

なお、レイアウトの作成は「レイアウト」機能を使えば比較的安易です。でも、実際にはスライド上で編集しなければならないケースも多いので臨機応変に!

1.上下中央揃えの箇条書きスライド

デフォルトの状態では、上ぞろえの箇条書きですが、余白は一方に偏っていると落ち着かない場合がありますので、上下中央にすることで安定化を図ります。

また、上下中央にすることで「下に空間が余ったから画像を入れよう」という考え方を抑制します。

箇条書きスライドは、第2レベルまでの使用にとどめましょう。第3レベル以降は使用しないようにしてください。階層が深くなると、非常にわかりにくくなります。第3レベルが必要だと感じた時点で、「レイアウト方法が間違っている」と考えてください。

さらに、項目数が増えれば増えるほど下の方は読んでもらえなくなります。項目数が多くなる場合は、スライドを分割するなどの工夫が必要です。

項目数(第1レベルの数)は3つを限度とし、それ以上になる場合はスライドを分割します。2つまでに抑えられるのが理想的です。項目を3つ並べたとき、本当に「一度に3つ表示する必要があるのか」を検討してみましょう。プレゼンテーションで一つひとつ説明するなら、3スライドに分けた方が良くないでしょうか。


2.左に空間をあけた箇条書きスライド

左から右への視点移動を損なわないよう、左に空間をあけたレイアウトを用意しておきます。

画像や図形の挿入が必要になったら左の空間に収まるよう工夫して配置します。このとき、図形が入らないからと言って、テキストの位置を右にずらしたりすることは極力避けましょう。

3.上に空間をあけたスライド

横に長い図や画像、またはグラフなどを入れるケースに対応するレイアウトです。下の領域は箇条書きが入るほどのスペースを確保できない場合が多いので、「見出しとテキスト」または「テキストのみ」を配置します。基本的にこれらは、上に配置したもののキャプションと説明文として利用します。

ちなみに、このレイアウトはすべてのレイアウトの中で最も多く利用されます。

まとめ

スライドに書くべき内容が決まったら、どのレイアウトを使うかを考え、内容を当てはめていく、という作業フローになります。

もちろん3つのレイアウトパタンでは少ないかもしれませんが、デフォルトの箇条書きスライドを無理やり使用するよりは作業しやすくなると思います。スライドマスタの「レイアウト」機能を使って作成してみましょう。

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